Now Where's My Wine?

シドニー在住、現地法人でワインに従事するフロスト結子です。オーストラリアから楽しいワイン情報を発信します。

タグ:読書ノート

ここ1年ほど英語で色んな本を読んでいます。

かつて勉強中は英語の本といえばワイン関連の本ばっかり読んでいて
「英語で読む=修行」みたいな感じで義務感で読んでる感があったのですが

最近は幅広いジャンルの本を英語で楽しく読めるようになりました。

ワインやランニングや料理や
自分が情熱をかけるものの本ももちろん読んでますが
自叙伝、ファンタジー、ミステリー、歴史物と、ジャンルを問わず色々読んでます。
著者の出身地もアメリカ、イギリス、オーストラリア、フランスと幅広く。

一つの言葉、一つの国、一つのジャンル
どんなことでも限定してしまうと、なんだか視野がすごく狭くなってしまいそうで
何かを徹底的に極めるのは素晴らしい。
けれど今はもっともっと幅広い世界に触れたい。
とはいえワインの本も、まだまだたくさん読みたいものがあるので
私の積読リストはどんどん長くなるばかりw

英語で読むことで、読める本も、その本について意見を共有できる人も
格段に増えたことも嬉しいし
今まであまり知らなかった史実や国のことに触れるきっかけになって
世界が広がった気がします。

人生は誰にも平等に1度しかないけど、本をたくさん読むことで、ありとあらゆる人生や時代を体験できる

これが。とても。楽しい。

これからもたくさんの人生を体験したいと思います。
良い本は願わくば美味しいお酒と共に
じっくりと向き合いたいですね。

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ちなみにこの本はヒトラー時代のオーストリアに生まれた
オーストリア出身のユダヤ系の女優さんで
今でいうモラハラ夫の幽閉から逃げ出し
ハリウッドに渡りまたそこで女優になり
その後、科学者になったという実在の女優ヘディ・ラマーの物語です。
世界で初めてポルノ映画以外で、女性がセックスによるオーガズムを
スクリーンで演じた女優でもあるそうです。



面白かったよ!おすすめ!
The Only Woman in the Room (English Edition)
Marie Benedict
Hodder & Stoughton
2019-03-07


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母が亡くなった今だからやっと聞ける。あなたは父にとって、なんだったのですか?
アンジェラ、あなたのお父さんにとって私はなんだったか、それはお父さんにしかわからない。だけれど、私にとってあなたのお父さんがどんな存在だったか、それは教えてあげられるわ。
ジュリア・ロバーツ主演で映画化されたEat, Play Love(邦題:食べて、祈って、恋をして)の著者
エリザベス・ギルバートの新作を読みました。

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表紙は違うけど同じ作品です。


City of Girls: The Sunday Times Bestseller (English Edition)
Elizabeth Gilbert
Bloomsbury Publishing
2019-06-04



舞台は1940年代のニューヨークの劇場。
大学を退学になり親から半ば追い出される形でニューヨーク・シティにやってきた19歳のヴィヴィアンが
裁縫の才能を発揮して伯母の経営する劇場で舞台衣装を作る仕事を始めるというところから物語がスタートします。

ヴィヴィアンが回想しながら「アンジェラ」という女性に自分の半生を手紙で綴るという形で物語が進んでいきます。
この物語は、冒頭のアンジェラの「あなたは私の父にとってなんだったのですか?」という問いに対し手の答え。
アンジェラが、そして彼女の父が誰なのかは、かなり後の方になるまでわかりません。

若くて世間知らずでヴァージンだったヴィヴィアンが、劇場裏という特殊な環境で色々な人物と関わっていきます。女優、男優、舞台のダイレクター、ダンサー、脚本家。

最初は若い頃のヴィヴィアンのナイーブさ、危うさに相当イライラしつつ
正直後半までちょっと平凡な話だなあと思いながら読んでいましたが
途中で伏線回収が急スピードで始まります。

アンジェラにお父さんの話をするためには、ヴィヴィアンの19歳から90歳までの壮大な人生の間にやってきては去って行った人々を、語らずにはいられなかった(という設定)。

女性同士の間に走る独特の緊張感も、そして愛情、家族の間に流れる独特の空気。
戦争があった時代を挟むのでその頃の描写に胸が痛くなりました。

ヴィヴィアンの作る舞台衣装やその後作るウェディングドレスの描写がとても美しく、そこも楽しめた要素の一つでした。
ニューヨーク、行ったことないですが、
やはりいろんな意味で多くな人にとって特別な場所なのだなあと感じます。

英語で小説やノンフィクションを読むのがだいぶ速くなってきました。
まだまだ遅いですが。
スラスラッともっといろんな本を読めるようになりたいです。これも来年の目標。

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読書日記続いています。
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この本は、オーストラリアに来たばかりの時にちょうど流行っていたのですが
その時には手に取ることはなく
最近になって、古本屋さんのほんだらけさんでたまたま日本語版を見つけて手に取ってみました。
それまで知りませんでしたが
著者のミレイユ・ジュリアーノさんはヴーヴ・クリコ・アメリカの女性CEO。
マダム・クリコ以来、ヴーヴ・クリコ初の女性役員だそうです。

感想ですが、思ったよりずっと良かった!
原作は英語で書かれていて、おそらくですが
アメリカ人女性に向けて書かれた本なのだと思います。

大学に入る前にアメリカに1年間留学した筆者が
ベーグルやブラウニーに出合ってしまい
1年であっという間に10kgも太ってしまい
帰国して再会したお父さんが、思わず口を滑らしてしまった言葉が

「まるで(市場にあるような)ジャガイモの袋みたいだ」

それににショックを受け、ダイエットに取り組んだところから書かれています。

◎質の良いものを知り、適度に食べること
◎食べ物の旬やハーブ、スパイスを知り楽しむこと
◎水をたくさん飲むこと
◎エレベーターではなく階段を使うこと

というような既に知っていることに加え

デザートもチーズもパンもパスタもワインもやめなくていい。
ただし機械的に出された分だけ食べるのではなく、食べ物に集中して、本当に必要なだけ食べること。

ダイエット本というよりは、より楽しく生きるヒントのようなものが
たくさん書かれています。
アメリカとフランスの女性の物事の捉え方の対比も面白かったです。
アメリカではダイエットは我慢、闘いのように捉えられているけれど
フランスでは食べる量を減らしたとしても喜びは増える、そんな食べ方をする。
食べて悪いものではなく良いものを考える。

あとはシャンパーニュの会社の方なので
やはりワインについての言及もあり個人的に興味深かったです。
さらには簡単でヘルシーなフレンチのレシピもたくさん入っていているのも嬉しいです。

翻訳は正直ちょっとイマイチでした。
同じ著者の別の本もあるので、機会があれば読んでみたいと思います。

 



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1954年出版のこの本を、今まで知らずにいました。
シドニーではSydney Theatre Companyによる舞台が開演されるということで
観劇する前に、読んでみることにしました。
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ちなみにワインは金毘羅丸(Konpiramaru)のペット・ナットです。

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飛行機が無人島に不時着して少年達だけでなんとか生き残ろうとする中で、年長者の少年たちの間で対立が起き、やがて殺し合いにまで発展してしまう
という、平たく言えば設定としては「十五少年漂流記」みたいな感じですが
それよりももっと生々しい、人間の本質を問うようなストーリーです。

私が買ったペーパーバックには、スティーブン・キングが序文を寄せていて
スティーブン・キングが子供の時に、移動図書館のおばさんに
「児童書に出てくるような嘘くさい子供じゃなく、子供の本当の姿を描いた本を読みたい」
と言ったら、大人が読む本の中からこの本を取り出してくれたのだそうです。

極限に追い込まれた少年たちが
懸命に強く正しくあろうとする姿や、逆に狂気に走ってしまう姿がよく描かれています。
それぞれのキャラクターが担う「役」も鮮明に描かれていて
中心人物ラルフの孤独や悲しみが痛いほど伝わってきました。

ラルフは正しくあろうとする子だけど、本質はとても弱く繊細で
厳しい環境とプレッシャーの中でだんだんと壊れていく姿も
敵対するジャックに憎まれていると悟った時の彼の悲しみも
読んでいてとても辛かったです。

ジャックは野蛮族のリーダーになるキャラクターですが
本当は一番「普通」だったのかもしれません。
ティーンの少年として、考えなしで、無骨で、傲慢で。

ピギーはダメダメな子のようで、実は一番冷静で、理性として働く役割を果たすキャラクター。
一生懸命で、まっすぐで、冷静で。
いじめられっ子体質であっても、実は一番強かったのは、彼かもしれない。

英語で本を読んでいると
そのつもりはなくてもうっかり重要な箇所を読み飛ばしてしまったり
そのせいで話の流れが掴みにくかったりと
まだまだ難しいなと思うこともあるのですが
少しずつ、できる範囲で楽しんでいければいいなと思っています。
最後まで読んだのに、よくわからない部分があって
もう一度読み返したりとか
それも一つのプロセスですね。

8月にはこのストーリーを舞台で観る予定です。



蠅の王 (新潮文庫)
ウィリアム・ゴールディング
新潮社
1975-03-30





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読書会の課題図書のLessを読みました。
Less、というのは主人公Arthur Lessの名字から。

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サンフランシスコ在住50手前のゲイの小説家のアーサー・レスが
かつての愛人の結婚式に招待され
それを避けるために
海外の都市を転々と旅する物語。

ニューヨーク、メキシコ、イタリア、ドイツ、フランス、モロッコ、インド、日本と旅をするレス。
そう聞くとなかなかファビュラスな売れてる人気小説家なのかと思いきや
この旅の理由は、全部一応仕事なのだけど逐一色々変で、それが笑える。

このアーサーはただ自己評価がものすごく低いことが伺える描写がたくさんあるのですが
そこここで「あなたの小説大好きよ!」という女性が複数回登場したりもするので
ほんとはそんなに卑下するほど悪くもないんじゃないのかなぁと思いながら
人の目を気にして、何かを言われるのが嫌で元彼の結婚式に出られない。
かといって、正当な理由なく欠席する勇気もない。

そんな弱気な彼の旅を見守る物語。

ゆく先ゆく先で、ちくいち現れる過去の恋愛の影、古い友人、新たに出会う人びと。
もうちょっと堂々としていてよ、いい歳のオッサンなんだからと思うのですが
レスはいつもどこでも、なんだか気弱なんです。
実際にこんな友達がいたら、アンタしっかりしなよと背中を叩きたくもなりそうですが
今まで恋愛していた人々が、若々しいハンサム男であったり天才と呼ばれる詩人だったり
男性同士のカップルなんだけど、レスはどちらかというと「尽くす方」「身の回りの世話をする方」という女房役に徹していたからなのかもしれないです。
とにかくいつでもどこでも、誰にどう思われているかを常に気にしている様子。

ベトナムで彼が仕立てたブルーのスーツ。自信がない時にレスがまとう心の鎧のようなスーツ。
使うかどうかは別にして、どこにでも持っていくエクササイズ用の道具。
誰にもこんなカッコ悪い時もある、かな?

がっつりハマる本でもなかったけど時々「ニヤッ」としてしまうユーモアもあり、楽しめました。






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