Now Where's My Wine?

シドニー在住、ワインライター兼通訳のフロスト結子です。オーストラリアから楽しいワイン情報を発信します。

タグ:読書ノート

読書日記続いています。
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この本は、オーストラリアに来たばかりの時にちょうど流行っていたのですが
その時には手に取ることはなく
最近になって、古本屋さんのほんだらけさんでたまたま日本語版を見つけて手に取ってみました。
それまで知りませんでしたが
著者のミレイユ・ジュリアーノさんはヴーヴ・クリコ・アメリカの女性CEO。
マダム・クリコ以来、ヴーヴ・クリコ初の女性役員だそうです。

感想ですが、思ったよりずっと良かった!
原作は英語で書かれていて、おそらくですが
アメリカ人女性に向けて書かれた本なのだと思います。

大学に入る前にアメリカに1年間留学した筆者が
ベーグルやブラウニーに出合ってしまい
1年であっという間に10kgも太ってしまい
帰国して再会したお父さんが、思わず口を滑らしてしまった言葉が

「まるで(市場にあるような)ジャガイモの袋みたいだ」

それににショックを受け、ダイエットに取り組んだところから書かれています。

◎質の良いものを知り、適度に食べること
◎食べ物の旬やハーブ、スパイスを知り楽しむこと
◎水をたくさん飲むこと
◎エレベーターではなく階段を使うこと

というような既に知っていることに加え

デザートもチーズもパンもパスタもワインもやめなくていい。
ただし機械的に出された分だけ食べるのではなく、食べ物に集中して、本当に必要なだけ食べること。

ダイエット本というよりは、より楽しく生きるヒントのようなものが
たくさん書かれています。
アメリカとフランスの女性の物事の捉え方の対比も面白かったです。
アメリカではダイエットは我慢、闘いのように捉えられているけれど
フランスでは食べる量を減らしたとしても喜びは増える、そんな食べ方をする。
食べて悪いものではなく良いものを考える。

あとはシャンパーニュの会社の方なので
やはりワインについての言及もあり個人的に興味深かったです。
さらには簡単でヘルシーなフレンチのレシピもたくさん入っていているのも嬉しいです。

翻訳は正直ちょっとイマイチでした。
同じ著者の別の本もあるので、機会があれば読んでみたいと思います。

 



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1954年出版のこの本を、今まで知らずにいました。
シドニーではSydney Theatre Companyによる舞台が開演されるということで
観劇する前に、読んでみることにしました。
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ちなみにワインは金毘羅丸(Konpiramaru)のペット・ナットです。

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飛行機が無人島に不時着して少年達だけでなんとか生き残ろうとする中で、年長者の少年たちの間で対立が起き、やがて殺し合いにまで発展してしまう
という、平たく言えば設定としては「十五少年漂流記」みたいな感じですが
それよりももっと生々しい、人間の本質を問うようなストーリーです。

私が買ったペーパーバックには、スティーブン・キングが序文を寄せていて
スティーブン・キングが子供の時に、移動図書館のおばさんに
「児童書に出てくるような嘘くさい子供じゃなく、子供の本当の姿を描いた本を読みたい」
と言ったら、大人が読む本の中からこの本を取り出してくれたのだそうです。

極限に追い込まれた少年たちが
懸命に強く正しくあろうとする姿や、逆に狂気に走ってしまう姿がよく描かれています。
それぞれのキャラクターが担う「役」も鮮明に描かれていて
中心人物ラルフの孤独や悲しみが痛いほど伝わってきました。

ラルフは正しくあろうとする子だけど、本質はとても弱く繊細で
厳しい環境とプレッシャーの中でだんだんと壊れていく姿も
敵対するジャックに憎まれていると悟った時の彼の悲しみも
読んでいてとても辛かったです。

ジャックは野蛮族のリーダーになるキャラクターですが
本当は一番「普通」だったのかもしれません。
ティーンの少年として、考えなしで、無骨で、傲慢で。

ピギーはダメダメな子のようで、実は一番冷静で、理性として働く役割を果たすキャラクター。
一生懸命で、まっすぐで、冷静で。
いじめられっ子体質であっても、実は一番強かったのは、彼かもしれない。

英語で本を読んでいると
そのつもりはなくてもうっかり重要な箇所を読み飛ばしてしまったり
そのせいで話の流れが掴みにくかったりと
まだまだ難しいなと思うこともあるのですが
少しずつ、できる範囲で楽しんでいければいいなと思っています。
最後まで読んだのに、よくわからない部分があって
もう一度読み返したりとか
それも一つのプロセスですね。

8月にはこのストーリーを舞台で観る予定です。



蠅の王 (新潮文庫)
ウィリアム・ゴールディング
新潮社
1975-03-30





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読書会の課題図書のLessを読みました。
Less、というのは主人公Arthur Lessの名字から。

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サンフランシスコ在住50手前のゲイの小説家のアーサー・レスが
かつての愛人の結婚式に招待され
それを避けるために
海外の都市を転々と旅する物語。

ニューヨーク、メキシコ、イタリア、ドイツ、フランス、モロッコ、インド、日本と旅をするレス。
そう聞くとなかなかファビュラスな売れてる人気小説家なのかと思いきや
この旅の理由は、全部一応仕事なのだけど逐一色々変で、それが笑える。

このアーサーはただ自己評価がものすごく低いことが伺える描写がたくさんあるのですが
そこここで「あなたの小説大好きよ!」という女性が複数回登場したりもするので
ほんとはそんなに卑下するほど悪くもないんじゃないのかなぁと思いながら
人の目を気にして、何かを言われるのが嫌で元彼の結婚式に出られない。
かといって、正当な理由なく欠席する勇気もない。

そんな弱気な彼の旅を見守る物語。

ゆく先ゆく先で、ちくいち現れる過去の恋愛の影、古い友人、新たに出会う人びと。
もうちょっと堂々としていてよ、いい歳のオッサンなんだからと思うのですが
レスはいつもどこでも、なんだか気弱なんです。
実際にこんな友達がいたら、アンタしっかりしなよと背中を叩きたくもなりそうですが
今まで恋愛していた人々が、若々しいハンサム男であったり天才と呼ばれる詩人だったり
男性同士のカップルなんだけど、レスはどちらかというと「尽くす方」「身の回りの世話をする方」という女房役に徹していたからなのかもしれないです。
とにかくいつでもどこでも、誰にどう思われているかを常に気にしている様子。

ベトナムで彼が仕立てたブルーのスーツ。自信がない時にレスがまとう心の鎧のようなスーツ。
使うかどうかは別にして、どこにでも持っていくエクササイズ用の道具。
誰にもこんなカッコ悪い時もある、かな?

がっつりハマる本でもなかったけど時々「ニヤッ」としてしまうユーモアもあり、楽しめました。






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久しぶりに、本を読んで、その余韻に浸っています。
すごく、すごーーーく面白かった!
こんなにハマるとは正直自分でも思ってなかったのでびっくりです。

映像化しないかな、と今からすごく楽しみに待ってしまうぐらい
ドラマティックで、なおかつ現実味を帯びた、ストーリーでした。

舞台は80年代のブリスベンです。複雑な家庭環境の兄弟が主役で彼らの周りで次々に起きる不思議かつドラマティックな出来事を綴った物語です。

こういう家庭は80年代のオーストラリアにたくさんあって、そして今でもたくさん存在しているんだろうなぁ。

ヘロイン中毒だった母親と
ドラッグ・ディーラーの彼氏。
トラウマから喋らなくなった息子。
離婚し、妻に逃げられた夫。
殺人罪で服役した初老の男。
地元を牛耳る悪組織。

オーストラリアは裕福な国だと思うけれど
このストーリーが語られたのは1980年代、
その時も今も、複雑な家庭に生まれ
もがいている子供たちは存在する。

このストーリーの要所要所に、愛が感じられるシーンがたくさんあること。

この本は、オーストラリアの文化背景、
特にブリズベンのことをよく知っている方が
入っていきやすいストーリーであると思います。

主人公は著者自身を投影したキャラクターのようで
少年の時に「僕は将来Courier Mail(ブリスベンを拠点とする大手新聞社)のジャーナリストになって犯罪記事を書きたい」と語るシーンがあり
実際、この筆者は同新聞のジャーナリストなんです。

また、その数年後主人公がCourier Mailで働くシーンがあるのですが
編集長に「お前はカラフルなライターで細かな描写が上手い。事件ライター向きじゃない」
と言われるシーンもあります。
この小説も実際、とくに描写、色彩が見える書き方がなされていて
ああこの著者もまさにColourfulなライターなのだなと感じました。

とくに、言葉を発さない主人公の兄が「ベジマイトの蓋を開け方で機嫌がわかる」とか
その兄が空中に言葉を指でなぞる仕草とか
とにかくディテールに富んだストーリーでした。
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しかも、感想ツイートしたら、著者からリプライツイート頂いちゃった!嬉しい!





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sweetbeanpaste

これはたまたまですがシンガポールで英訳されたものを購入して読み
その後映画も見た作品です。
日本語がもとになっている本ということもあり、とても読みやすいですが
やはり話のメインテーマである「ハンセン病」という単語は、調べないとわかりませんでした。

生きていることへの意味とか
普段考えずに生きている
それはたぶん、結構恵まれているからなんだ。

人は社会の中で生きていて
運命の掛け違いによって
人と違う流れの中で生きていく人がいる

図らずも前科者になった孤独な中年男
何をしたわけでもないのに突然病気になり家族や社会から突然切り離された少女
高校も行かせてもらえないかもしれないという貧困家庭の中学生

実はとてもヘビーなテーマなのに
ただただ生きているということをこんなにも幸せそうに演じられる女優が
彼女以外に、いま、いるんだろうかと思うぐらい
樹木希林さんの笑顔は本当に美しかったです。

映画の中では中学生の女の子の存在感の意義がイマイチわからなくて
「このキャラクターいるのかな?」と正直思いました。
むしろ彼氏?役の太賀くん、光って見えました。小説の中には出てこないキャラクターでしたが。

小説の中ではこの彼女が持ってきたブラウスの下りですごく泣かされたので
とらえ方が違うのかなと。

英語もよいですがやはり日本語も美しいですね。


Sweet Bean Paste
Durian Sukegawa
Oneworld Publications
2017-11-14

([と]1-2)あん (ポプラ文庫)
ドリアン助川
ポプラ社
2015-04-03


あん
樹木希林
2016-03-16






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