Now Where's My Wine?

シドニー在住、現地法人でワインに従事するフロスト結子です。オーストラリアから楽しいワイン情報を発信します。

タグ:洋書

母が亡くなった今だからやっと聞ける。あなたは父にとって、なんだったのですか?
アンジェラ、あなたのお父さんにとって私はなんだったか、それはお父さんにしかわからない。だけれど、私にとってあなたのお父さんがどんな存在だったか、それは教えてあげられるわ。
ジュリア・ロバーツ主演で映画化されたEat, Play Love(邦題:食べて、祈って、恋をして)の著者
エリザベス・ギルバートの新作を読みました。

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表紙は違うけど同じ作品です。


City of Girls: The Sunday Times Bestseller (English Edition)
Elizabeth Gilbert
Bloomsbury Publishing
2019-06-04



舞台は1940年代のニューヨークの劇場。
大学を退学になり親から半ば追い出される形でニューヨーク・シティにやってきた19歳のヴィヴィアンが
裁縫の才能を発揮して伯母の経営する劇場で舞台衣装を作る仕事を始めるというところから物語がスタートします。

ヴィヴィアンが回想しながら「アンジェラ」という女性に自分の半生を手紙で綴るという形で物語が進んでいきます。
この物語は、冒頭のアンジェラの「あなたは私の父にとってなんだったのですか?」という問いに対し手の答え。
アンジェラが、そして彼女の父が誰なのかは、かなり後の方になるまでわかりません。

若くて世間知らずでヴァージンだったヴィヴィアンが、劇場裏という特殊な環境で色々な人物と関わっていきます。女優、男優、舞台のダイレクター、ダンサー、脚本家。

最初は若い頃のヴィヴィアンのナイーブさ、危うさに相当イライラしつつ
正直後半までちょっと平凡な話だなあと思いながら読んでいましたが
途中で伏線回収が急スピードで始まります。

アンジェラにお父さんの話をするためには、ヴィヴィアンの19歳から90歳までの壮大な人生の間にやってきては去って行った人々を、語らずにはいられなかった(という設定)。

女性同士の間に走る独特の緊張感も、そして愛情、家族の間に流れる独特の空気。
戦争があった時代を挟むのでその頃の描写に胸が痛くなりました。

ヴィヴィアンの作る舞台衣装やその後作るウェディングドレスの描写がとても美しく、そこも楽しめた要素の一つでした。
ニューヨーク、行ったことないですが、
やはりいろんな意味で多くな人にとって特別な場所なのだなあと感じます。

英語で小説やノンフィクションを読むのがだいぶ速くなってきました。
まだまだ遅いですが。
スラスラッともっといろんな本を読めるようになりたいです。これも来年の目標。

今日も読んでくださって、ありがとうございます。

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今年から苦手な英語での読書の量を増やしています。
今までは仕事か勉強関連の本ぐらいしか積極的には読んでこなかったんですが
お友達にブッククラブに誘ってもらったことをきっかけに
この世界に溢れている色んな情報や作品にもっと触れたいと思い
自叙伝や今まで知らなかった作家の小説を英語で読み始めました。

そうして手に取った、最初の本がこれです。
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Becoming
Michelle Obama
Crown
2018-11-13


著者:ミシェル・オバマ
タイトル:Becoming
出版:2018年11月13日

前大統領夫人の、ミシェル・オバマさんの自伝です。
本は分厚いですが、とても易しい読みやすい英語で書いてあります。

幼少期からさかのぼりプリンストン大学、ハーバード・ロースクールへ
そして法律事務所で出会う未来の夫と
選挙の様子、大統領になる前、なってからの家族の在り方
彼女自身が掲げた教育や子供たちのウェルフェアのためのプロジェクト


そして一人の女性、妻、母として悩んだこと、
辛かった不妊治療のこと、カップル・カウンセリングのこと
一時子供たちの食事が偏り、このままでは糖尿病予備軍と医者にいわれたこと
夫が政治家になった後も自分が誇りとする仕事を辞めなかったこと

9・11とオサマ・ビン・ラディンのこと
銃社会であるアメリカで起きる銃による暴力や
特に白人と黒人コミュニティとの社会的格差のこと
英国女王や故ネルソン・マンデラ氏、マララ・ユスフザイとの交流のこと
それからオバマ氏の前任のブッシュ大統領、ヒラリー・クリントン氏、現大統領トランプ氏のこと。
選挙中に受けた言葉じりをとらえたバッシングのこと

アフリカ系アメリカ人のコミュニティで育ち
「ちゃんとした英語で話しなさい」というご両親の教育方針の下で
いわゆる黒人スラングを使わない子供だった。
そしたら「なんであんたは白人の子みたいなしゃべり方をするの?」と近所の子供に言われたこと。

プリンストン大学の最初の寮のルームメイトの親が
「黒人の子との同室は嫌だ」とクレームして部屋を変わっていったこと。

オバマさんの議員時代、会ったこともないワシントンの「ワイフクラブ」のどこぞの奥様から
言われた言葉や
銃社会と貧困の中で生きる子供たちに「学校を、教育を使いなさい」と言い続けたこと。

娘として、学生として、弁護士として、母として、妻として、そしてファースト・レディとして
さまざまな”I"をゆったりとした口調で語るミシェルさんの言葉は
まっすぐで、正直で、伝わりやすいと感じました。


それからオーストラリアに暮らしていると
アメリカの社会のことはあまりピンとこないことも多い。
オーストラリアにももちろん人種差別はあるけれど
アメリカのそれとはまた毛色が違う気がする。

最近映画でも、アメリカの人種差別をテーマにしたものを見る機会が立て続けにあったので
また改めて考えさせられます。
ギャングの多い地域の子供たちが
「天気がいい日は家に出たくない理由」というエピソードは、かなり衝撃でした。



ちなみにオーディオブックもあって
ご本人が朗読していますので
併せて聴かれるとまた良いかと思います。

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