Now Where's My Wine?

シドニー在住、現地法人でワインに従事するフロスト結子です。オーストラリアから楽しいワイン情報を発信します。

タグ:映画

Search/サーチ (字幕版)
ジョン・チョー
2019-01-11


引き続き、機内で見た映画レビューです。
今回はSearching (邦題は「サーチ」)。

作中がほぼ全て、パソコンのスクリーン上のやりとりで構成されているというもので
行方不明になった高校生の娘の行方を探すシングルファーザーの視線で物語が進んでいきます。
エンターテイメント色の強いストーリーで
よくできた、テンポの良いストーリー展開でした。

ソーシャルメディアの世界で
被害者や被疑者が無責任に吊るし上げられたり周りが煽って賛同したり
日本の映画で似たような情景を描いた
湊かなえさんの「白ゆき姫殺人事件」を少し思い出した部分もありました。

「Facebookで友達」が必ずしも本当の友達ではないとか
実際の彼女を知っている人が本当に少なかったりとか
そうかと思えば事件が注目された途端「親友だったの」とか言い出したり「捜索活動のボランティアに行ってきました」とかいう子が出てきたり

でも最後は希望の持てる終わり方でよかったなと。


 

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sweetbeanpaste

これはたまたまですがシンガポールで英訳されたものを購入して読み
その後映画も見た作品です。
日本語がもとになっている本ということもあり、とても読みやすいですが
やはり話のメインテーマである「ハンセン病」という単語は、調べないとわかりませんでした。

生きていることへの意味とか
普段考えずに生きている
それはたぶん、結構恵まれているからなんだ。

人は社会の中で生きていて
運命の掛け違いによって
人と違う流れの中で生きていく人がいる

図らずも前科者になった孤独な中年男
何をしたわけでもないのに突然病気になり家族や社会から突然切り離された少女
高校も行かせてもらえないかもしれないという貧困家庭の中学生

実はとてもヘビーなテーマなのに
ただただ生きているということをこんなにも幸せそうに演じられる女優が
彼女以外に、いま、いるんだろうかと思うぐらい
樹木希林さんの笑顔は本当に美しかったです。

映画の中では中学生の女の子の存在感の意義がイマイチわからなくて
「このキャラクターいるのかな?」と正直思いました。
むしろ彼氏?役の太賀くん、光って見えました。小説の中には出てこないキャラクターでしたが。

小説の中ではこの彼女が持ってきたブラウスの下りですごく泣かされたので
とらえ方が違うのかなと。

英語もよいですがやはり日本語も美しいですね。


Sweet Bean Paste
Durian Sukegawa
Oneworld Publications
2017-11-14

([と]1-2)あん (ポプラ文庫)
ドリアン助川
ポプラ社
2015-04-03


あん
樹木希林
2016-03-16






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オーストラリア〜ヨーロッパは片道20時間を超えるロングホールフライト
往路、復路でたくさんの映画を見ました。
これだけ一度にたくさんの作品を見ることって、なかなかない気がします。

まずはこれ。
green-book-british-movie-poster



 

今年のアカデミー賞作品賞と助演男優賞を含む3部門を受賞したGreen Bookです。
ヴィゴ・モーテンセンが14kgも増量して臨んだという役柄。

人種差別主義者の粗野で無教育なイタリア系移民で肉体労働系のトニーと
アフリカ系アメリカ人で高い教育を受けピアニストであるドクター・シャーリーとの
不思議な旅と友情の物語。

正反対のように思えた二人の間に初めて「つながり」が見えたのは
ドクター・シャーリーが一人で飲みに行って白人の輩に絡まれて殴られていたところ
「俺なしでもうどこにも行かないと約束してくれ!」というトニーの言葉。
文字通り体を張って何をしてでもドクターを守るトニー、本当にかっこよかった。

文化人面して黒人ピアニストを家やホテルに招きながら、
同じダイニングルームやバスルームを使うことは当然のように拒否する白人社会。
黒人社会にハブられ、かといって白人にもなれないドクター・シャーリーの孤独。

Green Bookの話は60年代のアメリカの話だけれど
私たちが生きる21世紀にもまだ差別はある。
人種、性別、性的指向。

異なる国籍同士や同性同士で結婚ができる時代にはなっても
人々の認識はそう簡単には変わるものではない。

「私たちは理解がある、教育を受けた人間よ、だから黒人のピアニストを家に招いているの」と、自分と違うバックグラウンドの人を受け入れる姿勢を見せつつも
ほんとのところでは自分の領域には入ってきて欲しくないのが本音。
そんな人は今のこの社会にも、たくさんいる。

この映画の中で天才ピアニストとして招いたゲストを
掃除用具のロッカーで着替えさせたり
ホテルのメイン・ダイニングでの食事を拒否する白人社会は

今私たちが生きている現代にも、形を変えて存在しているし
自分自身、ちゃんとありとあらゆる文化を分け隔てなく受け入れているか
受け入れているつもりでも、無意識に差別していないか
考えさせられる映画でもありました。

黒人差別のあったアメリカはひどいね、可哀想だねと
他人事のように感じるかもしれないけど
日本にだってオーストラリアにだって、たくさんの差別が歴史上あったし
今もある。

一番怖いのは差別があることが当たり前だと感じることだ。

スイスでたまたま出会った日本人の年配の女性二人が
「同性愛者の人たちがなぜ結婚する権利を求めているのかわからないわ」と本気の顔で言っていて
ああ、無意識の中での悪意のない差別ってこういうことなんだなと内心思ったのでした。

なんでそんな話になったかは分からないけど
あー世の中にはまだまだこういう認識の人がいて
彼女らがとびきり非常識とかそう思われている社会でもないのだなと
ちょっと心がひんやりしてしまったのでした。

60年近い前のアメリカで認識されていた人々の人種に関する認識
現代の社会を阻む差別意識

歴史ではなく現代を、感じた映画でした。
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