読書会の課題図書のLessを読みました。
Less、というのは主人公Arthur Lessの名字から。

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サンフランシスコ在住50手前のゲイの小説家のアーサー・レスが
かつての愛人の結婚式に招待され
それを避けるために
海外の都市を転々と旅する物語。

ニューヨーク、メキシコ、イタリア、ドイツ、フランス、モロッコ、インド、日本と旅をするレス。
そう聞くとなかなかファビュラスな売れてる人気小説家なのかと思いきや
この旅の理由は、全部一応仕事なのだけど逐一色々変で、それが笑える。

このアーサーはただ自己評価がものすごく低いことが伺える描写がたくさんあるのですが
そこここで「あなたの小説大好きよ!」という女性が複数回登場したりもするので
ほんとはそんなに卑下するほど悪くもないんじゃないのかなぁと思いながら
人の目を気にして、何かを言われるのが嫌で元彼の結婚式に出られない。
かといって、正当な理由なく欠席する勇気もない。

そんな弱気な彼の旅を見守る物語。

ゆく先ゆく先で、ちくいち現れる過去の恋愛の影、古い友人、新たに出会う人びと。
もうちょっと堂々としていてよ、いい歳のオッサンなんだからと思うのですが
レスはいつもどこでも、なんだか気弱なんです。
実際にこんな友達がいたら、アンタしっかりしなよと背中を叩きたくもなりそうですが
今まで恋愛していた人々が、若々しいハンサム男であったり天才と呼ばれる詩人だったり
男性同士のカップルなんだけど、レスはどちらかというと「尽くす方」「身の回りの世話をする方」という女房役に徹していたからなのかもしれないです。
とにかくいつでもどこでも、誰にどう思われているかを常に気にしている様子。

ベトナムで彼が仕立てたブルーのスーツ。自信がない時にレスがまとう心の鎧のようなスーツ。
使うかどうかは別にして、どこにでも持っていくエクササイズ用の道具。
誰にもこんなカッコ悪い時もある、かな?

がっつりハマる本でもなかったけど時々「ニヤッ」としてしまうユーモアもあり、楽しめました。






今日も読んでくださって、ありがとうございます。

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