オーストラリア〜ヨーロッパは片道20時間を超えるロングホールフライト
往路、復路でたくさんの映画を見ました。
これだけ一度にたくさんの作品を見ることって、なかなかない気がします。

まずはこれ。
green-book-british-movie-poster



 

今年のアカデミー賞作品賞と助演男優賞を含む3部門を受賞したGreen Bookです。
ヴィゴ・モーテンセンが14kgも増量して臨んだという役柄。

人種差別主義者の粗野で無教育なイタリア系移民で肉体労働系のトニーと
アフリカ系アメリカ人で高い教育を受けピアニストであるドクター・シャーリーとの
不思議な旅と友情の物語。

正反対のように思えた二人の間に初めて「つながり」が見えたのは
ドクター・シャーリーが一人で飲みに行って白人の輩に絡まれて殴られていたところ
「俺なしでもうどこにも行かないと約束してくれ!」というトニーの言葉。
文字通り体を張って何をしてでもドクターを守るトニー、本当にかっこよかった。

文化人面して黒人ピアニストを家やホテルに招きながら、
同じダイニングルームやバスルームを使うことは当然のように拒否する白人社会。
黒人社会にハブられ、かといって白人にもなれないドクター・シャーリーの孤独。

Green Bookの話は60年代のアメリカの話だけれど
私たちが生きる21世紀にもまだ差別はある。
人種、性別、性的指向。

異なる国籍同士や同性同士で結婚ができる時代にはなっても
人々の認識はそう簡単には変わるものではない。

「私たちは理解がある、教育を受けた人間よ、だから黒人のピアニストを家に招いているの」と、自分と違うバックグラウンドの人を受け入れる姿勢を見せつつも
ほんとのところでは自分の領域には入ってきて欲しくないのが本音。
そんな人は今のこの社会にも、たくさんいる。

この映画の中で天才ピアニストとして招いたゲストを
掃除用具のロッカーで着替えさせたり
ホテルのメイン・ダイニングでの食事を拒否する白人社会は

今私たちが生きている現代にも、形を変えて存在しているし
自分自身、ちゃんとありとあらゆる文化を分け隔てなく受け入れているか
受け入れているつもりでも、無意識に差別していないか
考えさせられる映画でもありました。

黒人差別のあったアメリカはひどいね、可哀想だねと
他人事のように感じるかもしれないけど
日本にだってオーストラリアにだって、たくさんの差別が歴史上あったし
今もある。

一番怖いのは差別があることが当たり前だと感じることだ。

スイスでたまたま出会った日本人の年配の女性二人が
「同性愛者の人たちがなぜ結婚する権利を求めているのかわからないわ」と本気の顔で言っていて
ああ、無意識の中での悪意のない差別ってこういうことなんだなと内心思ったのでした。

なんでそんな話になったかは分からないけど
あー世の中にはまだまだこういう認識の人がいて
彼女らがとびきり非常識とかそう思われている社会でもないのだなと
ちょっと心がひんやりしてしまったのでした。

60年近い前のアメリカで認識されていた人々の人種に関する認識
現代の社会を阻む差別意識

歴史ではなく現代を、感じた映画でした。
今日も読んでくださって、ありがとうございます。

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