Now Where's My Wine?

シドニー在住、現地法人でワインに従事するフロスト結子です。オーストラリアから楽しいワイン情報を発信します。

2016年01月

こんにちは。
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WSET Diplomaの試験で、まず大抵最初に受ける試験はUnit2。ワインの生産、つまり栽培と醸造についての科目です。これは範囲はめちゃくちゃ広いですが、選択問題なのである意味一番簡単です。

それをクリアしたあと、記述式の科目へと進みます。

懐かしの画像・・・笑 一時期こんな写真ばかり撮っていました。


私の場合、一番最初の記述式試験は酒精強化ワインでした。
世界三大酒精強化ワインであるシェリー、ポート、マデイラを中心に学んでいきますが
フランスのヴァン・ド・ナチュールやオーストラリアの酒精強化などもカバーしなくてはいけませんでした。
確かにWSETの過去問を遡っても、出題傾向として毎回この三大酒精強化以外に必ずもう一問、マイナーな酒精強化ワインの出題があったと記憶しています。







その中でもオーストラリアのヴィクトリア州ラザグレンで生産されているマスカットは
実は世界でもなかなか特殊な酒精強化ワインである、と学びました。



ブドウの樹の上でカラカラになるまで乾燥させてレーズン状になったブドウを圧搾して
シェリーのソレラ・システムのように異なるヴィンテージのワインを少しずつ継ぎ足して混ぜる「うなぎのタレ方式(って、日本でワイン勉強した人、習ったよね?)」。

つまり乾燥したブドウを使ったデザートワインの生産方法と、シェリーの製造方法を組み合わせたというもの。
かなり特徴的なワインなので、試験に出たらむしろすごくラッキーなワインであると思います。

特徴は、まずとにかく香りが飛び抜けて芳醇で強いこと。比較試飲すればすぐわかりますが、色の似ているトーニー・ポート、アモンティリャード・シェリー、マデイラなど、どの酒精強化に比べてもこれは格段に違います。
ラベンダーやアールグレイ・ティー(つまりベルガモット)の香り やコーヒー豆の香りなど。
マスカットの華やかな香りとキレキレの酸味は、ブラインドでテイスティングしても本当〜にわかりやすいワインです。


酒精強化ワインの試験を経て、その複雑な製造方法を学んでいろんなワインに出会って以来、大好きに。


ラザグレン・マスカットはダーク・チョコレートやフルーツケーキと一緒にいただくと
本当に美味です。
これも大好きなオーストラリア・ワインのひとつ。
美味しい食事の後の、贅沢なデザートに。ゆっくり、しっぽり、ちびちびと飲みたいワインです。
一度ぜひ試してみてくださいね。




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今日のワインはコチラ。

Patrick Sullivan Wine `Haggis`
パトリック・サリヴァン・ハギス
品種は不明・・・
http://patricksullivan.com.au/ 
こちらも自然派のワインメーカー、パトリック・サリヴァンのワイン。



いわゆる「オレンジワイン」の部類に入るのか、スキンコンタクトを経た白ワイン、色はオレンジというより薄いピンクです。でも、ロゼでは決してない、既存のカテゴリーに当てはまらないワインかも。
ガスパチョみたいなハーブ香を含んだ清涼感と搾りたてのブドウジュースみたいなフレッシュさとテクスチャー。ジャスミンみたいなお花の香りも。香り高い。

モダン・ベトナム料理と一緒に頂きました。

これはオーストラリアワインをこよなく愛する人と飲みたい一本です。

今急速に変化しつつあるオーストラリアワインを、まさに象徴するかのような一本。
こんな不思議なスタイルのワインがあるなんて、と。
最近日本でも、オーストラリアのナチュラル・ワインが高く評価され始めたと小耳に挟んでいます。
「安い、甘い、アルコールガッツリ、シンプル・・・」といった、一昔前のオーストラリアワインのイメージが、オーストラリアの国外で今、急速に変わりつつあると感じています。
繊細で複雑で、それでいて思い切り自由にワインを作る若者が急速に増えています、オーストラリア。

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昨日ご紹介したUnico Zeloのワインをまた一つご紹介。
Unico Zelo Chopstiks Spice Blend 2015
200ケースのみの生産。

これは何か、というと、アジア料理を意識してうまみ(英語でもUmamiと言います)を醸し出した白ワインなのです。
「うまみ Umami」はワインの味を表現する言葉として認識されていて、WSET DiplomaやMaster of Wineの実技試験でも使っても通じる言葉です。時々カツオ出汁のような、焼き海苔のような、あるいは昆布のような香りのするワインに出会うことがありますが、そんな時に"savoury(甘みに対してしょっぱい、肉、魚っぽい)"と合わせて、よく使う言葉です。

もとい。このワインの品種はマスカット・アレサンドリア。
香りはマスカットらしい麝香のようなツンとした香りと、ミカンのようなオイルっぽい柑橘の香り。ショウガのような甘い香りも少し。
味は甘味を一切感じないBone Dry(極辛口)で、そして「うまみ」。しょっぱくて、でもただの塩気じゃなくて深みのあるまさに「おだし」みたいな味。しかもちょっとオイルっぽいような、ツルっとするような、とても不思議なテクスチャー。英語で言うならSlippery(滑るような)って感じかな?

このワインを初めて飲んだときは、本当に「寄せ鍋を作る前のおだしを飲んでるみたい」と思いました。
正直これだけで飲むと、ちょっと、いやかなりモヤモヤするのですが
食事と一緒に飲むと、途端にバランスが取れてとても美味しくなるという、なんとも不思議なワインです。
マスカットの爽やかな果物の味わいがパッと広がって、酸味も途端に引き立つ感じです。
食事の味をうまく引き立ててて美味しくなるなんて、本当におだしのよう。
なんだか漬け物みたいな存在感のあるワインだなぁ。
そう思ったら、頂き物のお漬け物があったのを思い出したので合わせてみました。


日本から友人が持ってきてくれた綺麗なお漬け物(高そう)。ブレスレットは賑やかし。

昆布のうまみと本当にピッタリ!

このワインは正直飲む相手を選ぶかな、とも思いました。
ワイン通のお友達とのワイン会にはいいかな?
きのこの炊き込みご飯、鯖の塩焼き、ウナギ、寄せ鍋なんかに合いそうです。
もちろんお漬け物にも。


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日豪プレスのワインコラム「幸せワイン・ガイド@オーストラリア」が更新されました。
よろしければご一読ください→



今一番の?!注目株の若手のワインメーカー、ブレンダン・カーターとローラ・カーター夫妻のUnico Zelo。
http://www.unicozelo.com.au/
Unico Zelo `River Sand` Fiano、お値段$27。
http://www.unicozelo.com.au/

イタリア品種に情熱を注ぐ、アデレード・ヒルズをベースにしたカップルです。
今年のフィアノ。あーなんて素敵なラベル。

オーストラリアではそんなにメジャーな品種ではないですが
これはフィアノって何とか、何も知らなくても、ただただワインが好きな人に勧めたいワインです。
飲んですぐに 「ピュア」という言葉が頭に浮かぶワインでした。
青リンゴをグッと噛みしめたような。テクスチャーもしっかりとあって、食べるように味わえるワイン。

ユニコ・ゼロを飲んでから、フィアノが好きになったかも。
他にも面白いワインを沢山作っていて、いわゆる「Hipster ヒップスター」と呼ばれる部類のワインメーカー。
これからのオーストラリアワインのトレンドを牽引する人たちのうちの2人かもしれません。

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こんにちは。
ご訪問ありがとうございます。
日曜から雨続きのシドニーでは肌寒い日が続いています。
ちなみにこの記事を書いているのは、火曜日の夜でございます。



本日はバロッサ・バレーより、のRuggabellus `Fluus` 2014。
まず、なんて読むんだ、コレ?って感じですが・・・。
ラガベラス・フルーウス。
http://www.ruggabellus.com.au/
Abel Gibsonはペンフォールド、ロックフォード、クリス・リングランド、チャールズ・メルトンなど、世界的にバロッサを代表する名ワイナリーでキャリアを重ねたワインメーカー。

Ruggabellus= `rugged beauty’ 日本語に訳したら、無骨な美しさ、って感じかな?

グルナッシュが主のブレンドで、マタロ(ムーヴェドレ)、サンソー。シラーが1%。
サンソーが24%という、結構な比率で入ってます。
サンソーは、熱と乾燥に強い品種とのこと。・・・バロッサですね。
ローヌ・スタイルのバロッサの赤ワインによくブレンドされているそうです。

ところでバロッサの赤ワインというと、色も濃くて、肉厚でアルコールもがっつり、なんてワインを想像しますが
これはグラスに注いでみたら、むしろ儚げに淡め。
ちょっと曇ってて、アンフィルター(無ろ過)なのかなー、と思いながら飲んでみます。

見た目だけで判断したら、ピノ・ノワールみたい。
そしてお味も、とっても軽やかで優しい口当たりです。お花を飲んでいるみたい。
ラズベリー、スミレ、桑の実、柔らかく控えめに、でも確実に主張しながら続く優しい渋味。
ナツメグっぽいスパイスの香りも。
軽やか、とはいえそれでも余韻はやっぱり温かい。
いろんな品種のブレンドなだけあって、とてもバランスのとれた印象です。

大切な人と二人で、ゆっくりといろんな話をしながら過ごす夜にどうぞ。

今日も読んでくださって、有難うございます。


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